上念司著「家なんて200%買ってはいけない!」

家なんて200%買ってはいけない!

先週はTATERU西京銀行による、資料改竄による不正な融資がリークされ、TATERU株は大幅に下げました。TATERU株は、ROEが高く、テクニカル的にも狙い目で監視していたため、自分もインしていた可能性がありました。不動産株もそれに釣られ下げ、自分は不動産関連株は保有していないものの、ポートフォリオはマイナスになりました。

 

本日レビューするのは、2016年に発行された、「家なんて200%買ってはいけない!」です。タイトルからしてやや胡散臭い印象は受けますが、著者の上念司氏は、保守派の論客であり、所謂研究者ではありません。本業は勝間塾の運営やスポーツジムの経営など行う実業家です。系統としては浜田宏一氏をベースとしたリフレ派であり、民主党政権の頃からリフレ政策を主張していました。今ではDHCテレビニュース女子の司会をやるなど、メディアへの露出が増えてきています。

 

この本では、ロバート・キヨサキの「金持ち父さん 貧乏父さん」を引用し、家を負債であると断言しています。また日本の合計特殊出生率から、数十年以内に相続により、「家をタダでもらえる」というコロニーレーザーなみの衝撃が不動産業界を襲うと警告してます。ちなみにコロニーレーザーは本文で使われてる表現です。

したがって、家を購入することのリスクは高く、ライフステージに合わせて借り屋に住むことを本作では推奨しています。

他にも、サブプライムローンの解説等、分かりやすく解説されており、これから家の購入を検討している人は必読だと思いますし、不動産業界への投資を検討している方へもおすすめできます。

 

日本では不動産は安定資産であるという考えが根強く、数十年前ではそれも正しい考えであったかもしれません。しかし、こらからの日本の状況においては、その考え方は適用されないことを、先週のTATERUの件と本作は示しているのかもしれません。